『ニッポン 2021-2050』刊行記念 トークイベントに参加しました。
落合陽一さん、猪俣直樹さん、この2人のトークをどうしてもききたかったのです。
この本の著者の落合陽一さんは、「現代の魔術師」と異名を持つメディアアーティスト。国際情勢ジャーナリスト、落合信彦さんの息子さんでもあります。研究テーマはデジタルネイチャー。
もう1人の著者の猪俣直樹さんは、作家で、元東京都知事。
まずは猪瀬直樹さんの2018年末の入籍ご報告。女優で画家の蜷川有紀さんと入籍されたそうです。みんな写真を撮ってOKとのことで、プレスも、お客さんも、いっせいにパチリ。
おめでとうございます。
トークショーは、このお2人が考える、2020年東京五輪、五輪以降の日本、がテーマでした。
以下に、私が理解した範囲で記載します。
2020年東京五輪
40兆円にも膨れ上がっている医療費。
2020年の東京五輪は、インバウンド(Inbound 外国人が訪れてくる旅行のこと。 )収入ということもあるけれど、どれだけスポーツに親しめるか、健康寿命をどれだけ伸ばせるか、も大事です。
1970年の大阪万博は、発展途上国日本の万博で、「太陽の塔」はその象徴。縄文的熱量と、近代と、エコシステムが融合した、パワーの塊。今みても本当によくできている。
2020年東京五輪では、そのような象徴を作るのがもう間に合わない。クリエーションのピークは過ぎたから、何かモニュメントを作るのも違うし、今更作っても遅い。2019年までのよさそうなものの焼き直しを使うことになりそう。お金のこともあるし。大阪万博から50年経って、成熟した社会の総括としての象徴を作るべきだった。それは、大衆のカルチャー、つまり、テレビカルチャー、ネットカルチャー、アニメ、が入ったら良かった。次の大阪万博でそのような象徴が今までの総括として作られるか期待したい。
元号が変わるということは、時代が変わるということ
2019年5月1日から元号が変わる。そこから1年間は祝祭空間。今上陛下は、2020年東京五輪のことも考えて退位を決められたのでは。ご自身に万が一のことがあっては、2020年東京五輪が中止になってしまうことを懸念されたのでは。
平成の時代の総括。
リクルート事件。(リーマンショック)
震災多かった。震災の度に、30才台の方々の活躍が目立った。震災でシステムが壊れて、新しいものができた。
社会課題は、震災をきっかけにするのではなく、自分たちで解決策を提案していかなければいけない。
猪俣直樹さんの著書、『天皇の影法師』のご紹介。ここに昭和に元号が変わった時のことが書かれている。
昭和6年、中村草田男さんの、「降る雪や明治は遠くになりにけり」、が発表された。時代が変わるということは、この歌に読まれているように、変わるということ。
「平成はダメだったなあ」ムードが取り沙汰されている。
本当にだめだったの?
平成、やり残したことは何?
当事者性
命題を確かめる。
医療費がどこにかかっているか。
毎日が面白くない人が、何か言い出す。
切り取ったコンテンツでは伝えきれない。
140字のコンテンツ、ツイッター。30秒のコメント、テレビ。
ファクトチェックができない。
話の前後関係が分からないので、炎上もある。
元の話はどうなってるのかな、と思うリテラシーが大切です。
社会を変えるためには、行動が大切です。インフルエンサーが強い。
当事者としての立場が大切。
ユーザーとしての意見も大切。
ポリティクス
本日発売の落合陽一さん著の『日本進化論』に書かれている「ポリティクス」とは、政治(Politics)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語。「テクノロジー」にとって何が可能になるかという観点を、政治の議論の中に取り入れていくこと。
どこに問題があるの?
政策的(ポリ)に解決するにはどうしたらいいの?
技術的(テック)に解決するにはどうしたらいいの?
まずはたたき台を作ること。
落合陽一さん
『努力しないでも楽しく生きる』社会を、当事者として作っていこう。
文字の力はすごい
何がしたいか。
そうみられたら、訂正すればよい。
論文のような、プロセスを使って。
ブログカルチャー。相互のやりとりが可能なものがよい。書き換えられる。
切り取られない。
明治から、ジャーナズム現れた。
新聞、週刊誌、テレビ、ツイッター と順次新しいものが出てきた。出初めは信用できないと。そのうち信用されていく歴史があった。
「サザエさん」では、マサオさんだけがサラリーマン。「島耕作」はサラリーマン。漫画も進化していくということ。
猪俣直樹さん
自身の文章の書き出しは、文章から映像が思い浮かぶ。
短歌、俳句 が昔からある。
文字の力はすごい。
世の中を変えていっているインフルエンサーとは、価値観を変えていっている人です。
もう一度 公を回復する
猪俣直樹さん
自分の持つ社会像。
初めは、国家という屋根の下。戦後、企業という屋根の下。
閉じた状態の平成。公を忘れ、私に走った。
どういう社会の中にあるべきか、に繋がっている。
熟年の星として。猪俣直樹さん
100年時代
健康でいるために
もう一度 公を回復する。クラウドファンディンク。NPO。
ただ商品を売るのではない。公に貢献する。
これからの理想の働き方
ITを使って何ができるか。
正規雇用と副業の組み合わせはどうか。
例えば、塾の講師が、家庭教師のバイトをするように。
ウーバーのようなシステムで、お掃除おばちゃんも、正規雇用と、プラスお掃除のバイトとか、同じ種類の仕事で、正規雇用と副業の組み合わせから収入を得るのはどうでしょうか。
テクノロジーに親和性の高い医師をどう作るか。
医師の世界はまだまだ封建的。
医師は、使命感が大切。
これからはテクノロジーを使う。効率理論で。
医療費の削減は、また別の議論。
どんなにお金を積まれても、働いてくれる人が来ない。そうなる前に制度を変えること。介護の世界ではもうはじまっている。
来る5Gの時代
西南戦争の時はもう電信がはじまっていた。電信からはじまったので、電信柱という。
150年前に、すでに発想としてはあった。
道は、国道 都道 区道 市道と、所属がある。今でも電信柱が立っているのは細い道。地下に水道管とか、ガス管とか埋まっているので、電信柱を埋められない。
その電信柱を使って、5Gを普及させる。どんな形ではじめることができるか。距離を小さく取って、メッシュではじめる? 2020年にははじまる。
5G対応のiPhoneは2021年に延期となった。
最後に
さっそく落合陽一さん著の『日本進化論』、猪俣直樹さん著の『天皇の影法師』を購入しました。
このお2人の日本のことを考える思考回路をみさせて頂きました。とっても大きかった。
まだまだできることがあるんだ。当事者性を持って参加していきます。