この本は、呼吸器の外来で、COPDのことが書いてあるおすすめの本はありますか、と尋ねられたとき、おすすめしている本です。
以下ページが書いてあるところは抜粋です。
著者の木田厚瑞先生は、1981年に在宅酸素療法のことを初めてHOT(home oxygen therapy)と命名され(p134)、また1985年HOTが健康保険の適応となった(p133)後も、呼吸器リハビリテーションの礎を築くのに尽力されたことで有名な先生です。
この本を読むにあたっての私の問いは、「呼吸器教室を開催するにあたり注意すべきことは何?」でした。
注目したポイント
a.COPDは多彩な〝顔つき〟をもつ病気である。(p57)
b. 呼吸リハビリテーションの定義(p207)
「呼吸リハビリテーションとは、呼吸器の病気によって生じた障害を持つ患者に対して、可能な限り機能を回復、維持させ、これにより、患者自身が自立できることを継続的に支援していくための医療である。」
c.「知識」(knowledge)と「情報」(information)
「知識」は自分自身に合うようにかみ砕いた時に初めて大切な「情報」に変わるのです。(p220)
「情報」とは自分自身の病気の治療のために必要とされる事柄です。(p218)
d.「問題解決型」よりも「ゴール設定型」
慢性の病気では、原因を究明して根底から治そうとするのではなく、困っていることを重点的に解決する方法がよい。(p227)
行動計画
「COPDの治療の目的は、息切れを軽くして活動度を高めること(p168)」。このことは呼吸器疾患全般に言えることなので、このことを呼吸器教室の軸とします。
気づき
酸素療法の進歩は、他の職種の技術の進歩がなければ不可能であった。酸素のタンクが持ち運びできるようになるまで、酸素がないと生きていけない患者さんは病院から一生出られなかったことを思うと、技術の進歩は素晴らしい。
最後に
平成30年度 呼吸器教室 第1回目は、6月1日(金)午後2時半から3時半まで、大久保病院7階会議室で開催します。無料。事前予約は不要です。直接会場にお越しください。
内容
1.呼吸って何?
2.COPDと気管支喘息の違いは。
3.ピークフローメーターって何?
4.お楽しみタイム(当日のお楽しみです)