わたしが呼吸リハビリテーションを仕事にした訳 3

今までのお話
わたしが呼吸リハビリテーションを仕事にした訳 12

 

 

 

その日から、何をしているのよく知らないまま、新米の理学療法士さんと一緒に、指導を受けました。

まだ呼吸リハビリテーションという考えが巷(ちまた)に広がっていない頃の話です。

Aさんへの理学療法を通して、呼吸理学療法を教わっていくのです。

この2人の理学療法士さんの手をかりて、人工呼吸器をできれば外したい、そんな思いでいっぱいでした。

 

 

 

一度、胸のレントゲン写真を撮りましょう。息を吸ったとき、吐いたとき、で撮りましょう、とのこと。

 

 

 

何のために?

 

 

 

レントゲン写真では、空気が入ってふくらんでいる肺は、レントゲン線が通り抜けるのに妨げが少ないので、黒くうつります。

胸のレントゲン写真でみると、空気が入っている肺の底のラインが横隔膜の位置なのです。

息を吸ったとき、吐いたとき、で撮ることで、横隔膜が動いているかどうかが確認できるのです。

本来ならこのように動いているはずです。

 

 

 

 

 

 

しかしながら、横隔膜は全く動いていませんでした。

 

 

 

当たり前です。横隔神経を切ったのですもの。と、Aさんはいうのです。

癌をとる説明を受けたときに、このようにきいています。

 

 

 

 

 

 

癌が横隔神経を巻き込んでいるので、癌をとるときに横隔神経を切ることになります。

だから横隔膜が動かなくなります。

自分では呼吸ができなくなるので、人工呼吸器が一生ついたままになります。

 

 

 

だ、

だから。

だからって、

どうして、人工呼吸器が外れないって、平然としていられるのだろう。

どうして、人工呼吸器が外れないなんておかしい。人工呼吸器は外すためにあるものだ。

 

 

 

知らないとは、こわいもの知らずでもあります。

 

 

 

いちいち知らないことでした。
沢山のことを教わりました。

 

 

 

つづく。

呼吸器教室のお知らせ

呼吸について正確な知識を手に入れ、実践することで、息切れに困らない生活を手に入れる助けになります。

【息切れ生活から脱出するために知っておくべきこと】
・身体は、60兆個の細胞からできている共同体。
 それぞれの細胞の意図が大切。
・肺は、役割り分担として、酸素を取り入れ、二酸化炭素を吐き出す役目を担っている。
・呼吸の役割りはエネルギーを作ること。
・息切れがある時は、安静にするのではなく、動く。
・息は吐いてから吸う。
・食事と運動が呼吸リハビリの両輪。

この記事を書いた人

中田潤子

中田潤子

呼吸器内科診療にて包括的呼吸リハビリテーションの知識を生かし、診療を行っている。呼吸器内科医師。20年以上勤務医として勤める。アメリカ留学も経験あり。呼吸を整えるとパフォーマンスが上がるとの考えで活動中。

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