ご質問を頂きました。散歩するのが呼吸にいいのはどうしてですか?
散歩するのが呼吸にいいと言われている理由を2つ挙げてみます。
1.胸郭を動かすと換気がすすむ。
肺は呼吸をするところです。肺は、肺胞という 壁が一層の細胞でできている袋が集まってできています。
肺胞に新しい空気が入ってきて(換気)はじめて、肺胞まで酸素が届きます。肺胞の壁を通して酸素は、直接血液に溶け込む一方で、大部分は毛細血管内の赤血球に結合します(拡散)。
しっかり換気するためには、肺が入っている胸郭がしっかり動くことが大切です。
胸郭は、底が横隔膜(ハラミの部分)、背中に背骨があって、背骨から身体の前面にバケツの柄のようにのびている肋骨、肋骨と肋骨の間の肋間筋(スペアリブの部分)、に囲まれています。
つまり、胸郭は、横隔膜、肋間筋、という筋肉でできているのです。動かしようがある、きたえようがある、ということです。
しかし、横隔膜の筋トレとか、肋間筋をきたえるとか、きいたことはないですよね。胸郭を動かすためには、全身を動かすといいのです。全身を動かすと、横隔膜も肋間筋も動きます。換気もすすみます。
道具がいらない、簡単にできる、いつでもできる全身運動、それが散歩です。本当は身体を動かすのであればどんなことでも呼吸にいいのです。
2.大腿四頭筋を含む下半身の筋肉を動かすと、ミトコンドリアが増える。
下半身に全身の筋肉の約7割が集まっていると言われています。中でも一番大きな筋肉は大腿四頭筋です。大腿四頭筋とは太ももの前面の筋肉です。
運動をすると、エネルギー産生工場であるミトコンドリアが増えていきます。ミトコンドリアは内呼吸をつかさどっています。
よって下半身の運動 散歩は、ミトコンドリアが増え、呼吸の能率が上がるのです。
以上、散歩するのが呼吸にいいと言われている理由を2つ 挙げました。
※ところで、魚はえら呼吸です。えらで水に溶けている酸素を直接取り込みます。