アレルギーの検査で気をつけたいこと。

日本アレルギー学会学術大会3日目。

カッコウの鳴き声で目が覚めました。

今日は雨は降っていましたが、霧は晴れていて、海の向こうまで見渡せました。

外来で時にあるお話です。

気管支喘息が診断名として疑われる時、採血でできるアレルギーの検査をしましょうとお話します。

アレルギーの抗体価をはかるのです。

抗体とは、アレルギーの原因となる物質(抗原)が体の中に入った結果、体の中にできた物質のことをいいます。この抗体の量を抗体価といいます。抗体価は、アレルギーの程度と、アレルギーの罹患(りかん)期間をかけ算したような数字です。

気管支喘息は、アレルギーが原因で起きることがあるのです。

その時に、はかれる項目は全部一緒に調べておいてくださいとおっしゃる方がいます。

気管支喘息を疑うときにアレルギーの検査をする理由は、もしその抗原を回避できれば、症状が良くなるかもしれないからです。

抗原としてよくあるものは測定します。それ以外では、はかれる項目を全部調べるのではなく、抗原として怪しそうなものをはかりたいのです。

どんな時に咳が出るか、教えて欲しいのです。

例えば、こんな感じです。

猫を飼っている友人の家を訪ねた時に、咳が出ます。
○○が咲く季節になると、咳が出ます。
子供がハムスターを飼いはじめてから、咳が出ます。
会社で席替えがあって、空調の吹き出し口の前に席がうつってから、咳が出ます。

色々ありますね。

そうすると、抗原をしぼって検査することができます。

もし、疑っていない抗原の採血をして、アレルギーの抗体価が陽性に出た時、その検査結果は参考になりません。あくまで、症状が起きている原因と考えられる物質が、抗原として怪しいのです。

学会参加で、バージョン アップ完了。恩師が活躍されているところも垣間みれて勇気倍増、がんばっていきます。

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この記事を書いた人

中田潤子

中田潤子

呼吸器内科医。
Change your breath, change your life.  
呼吸が変わると人生が変わる との考えで活動中。

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