今までのお話
わたしが呼吸リハビリテーションを仕事にした訳 1、2、3、4、5、6
横隔膜の動きを、息を吸ったとき、吐いたとき、で、一肋間(肋骨と、隣の肋骨との間の距離)動いていたのはちゃんと確認できたのです。
理論上は自分で呼吸ができるということなのですが。
それなのに、人工呼吸器を外すことができなかったのです。
人工呼吸器を外すと、息が苦しい、とおっしゃるのです。
Aさんが、筆談でね。
苦しいといわれたら、人工呼吸器を再度つけるしかありませんでした。
地味な、呼吸の練習が続きます。
人工呼吸器を外す。
みていないと、またつけてしまう。
呼吸はしっかりできるのに、できるはずなのに。
あわててしまい、息を吐いて、息を吸って、がよくわからなくなって。
吸って。吸って。吸って。
苦しい。
人工呼吸器をつけて、とジェスチャー。
Aさん、あわてると息を吐くのを忘れてしまいます。
まず、息を吐いて。それから吸って。その繰り返しです。
それだけなのですが、難しいんです。
自分で呼吸をするということに慣れるまでは。
そうやって人工呼吸器を外したり、つけたり、を繰り返しながら、少しずつですが、日中 人工呼吸器を外していられる時間が増えていきました。
そして、ついに日中は完全に人工呼吸器を外すことができたのです。
ところが、これで終わりではなかったのです。
夜はまだまだ思ったように自分で呼吸ができないのでした。
呼吸理学療法は続きました。
つづく。